2012-01-01から1年間の記事一覧

社会保障を考える

「平成24年版厚生労働白書 −社会保障を考える」に対して、「教科書的」という好意的な評価がある一方で、「経済学の知見がない」という批判が散見された。あまり正当な批判ではないと思う一方で(経済学の教科書に「社会保障論の知見がない」と批判するよう…

お詫びと言い訳

禁欲すると宣言しておくながら全然出来なかったことをお詫びします。いろいろと誤解を招く言い方が多かったようなので、ほとんど繰り返しなのですが、批判的なコメントをいただいた(ごくごく少数の)人に対して、言い訳というか私の意図をもう一度最後にま…

当たり前の政治が欲しい

現在、「増税」をめぐって政界再編が起きようとしている。民主主義の政治において重要なのは適切な争点の設定であるが、まさに「増税」ほど不適切な争点はなく、日本の政局の混乱および政治(という以上に民主主義への)不信、政策の停滞の元凶であると断言…

再び反緊縮派の立場から

「社会保障と税の一体改革」関連法案が衆議院を通過したが、「増税」をめぐって政局が大混乱に陥っている国は、おそらく日本だけではないだろうか。ギリシアでもフランスでもアメリカでも、争点になっているのは「緊縮」の是非であって増税ではなく、むしろ…

「施し」から「環境」へ

ここのところブログやツイッターが生活保護の話題に完全に占拠されている状態だが、やはり気になったのは、再分配の「公平性」をめぐる感情の問題がほとんど語られていないことである。実名を上げて「不正受給」を告発した片山さつき氏のやり方は、率直に言…

反緊縮派の立場から

「増税」を政治の争点にすべきではない、というのは1年以上前から繰り返し何度も書いてきたが、残念ながら野田政権の成立以降、「増税」めぐる政局や政策論争はますます強化されている。 「増税派」には、増税によって財政健全化の道筋がつけば国債の信任も…

現代日本の「テレビ政治」

日本の政治動向を観察するにはどこを中心に見ればよいのか、と問われれば私は国会ではないことはもちろん官僚組織ですらなく、少し迷いつつも「テレビ」と答える。誤解を恐れずに言えば、この10数年を振り返ると、テレビの政治報道番組や討論番組などで主流…

「身を切る姿勢」は泥沼の道

ここのところ、野田首相を筆頭に「増税の前に身を切る姿勢を」という主張が盛んであり、実際に議員定数や公務員の人件費などの削減が実行に移されようとしている。ここでも繰り返し述べてきたが、これは全面的に間違ったものである。議員定数や公務員の人員…