2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

もっと割り切った態度がとれないものか

よく左派系の社会学者や政治学者は、市場の役割を重視する経済学者を「市場がすべてを解決してくれると信じている」「市場原理主義」と批判するが、言うまでもなくこれは正当な批判ではない。経済学者は市場が万能薬だと言っているのではなく、財の分配を市…

大異を捨てて小同につく

税制とか金融政策とかのテーマで、政治家が専門家を交えながら超党派で研究し、合意を形成するというのは必要だとして、消費税や金融政策が政治的な争点になるというのは、明らかに健全ではない。 消費税増税に賛成する人といっても、法人税減税の代替として…

単純な所得再分配は反福祉国家的

ミネラルウォーターと保育園 鈴木亘http://synodos.livedoor.biz/archives/1498293.html 鈴木氏のような立論に対してよく感じる違和感の一つは、貧困者や身障者への対策の話になると、「それは別の対応をすればいい」「いくらでも保障の方法がある」という言…

「新自由主義」について

高橋洋一氏のつぶやき文章をたまたま見つけたので、これをネタに「新自由主義」について。 よく誤解されるけど新自由主義者って。私は、給付付き税額控除・所得税ベースで所得再分配(最高税率上げ+相続税強化)を政策としてあげているから、これらをいうと…

持続不可能な社会保障

日銀がデフレ脱出に積極的ではない理由 ― 常夏島日記http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100814/p1 この記事に関連して、金融政策論争はさておき、社会保障制度を持続可能にする「ボーリングの一番ピン」が、若い世代向けの教育、雇用保障、家族支援に…

データと実感の間にあるもの

前回の補足。 前回のエントリの趣旨は、国際比較で公務員の数が多いとか少ないとか、給与水準が高いとか低いとか、そういう類の議論そのものに疑問を呈したことにある。むしろ問題関心は、そもそもデータとしては明白なまでの「小さな政府」なのに、どうして…

データ的には「小さな政府」という謎

OECD諸国の公務員数 ― 社会実情データ図録 http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/5192.html 日本はここで掲げられたOECD26カ国の中で最も少ない5.3%である(働くものの5.3%が公務員)。OECD26カ国の平均は14.3%であるので、日本は先進国平均の4割以下の水準の…

不勉強なだけかもしれないが

金融政策も再分配政策の一種だという主張をどこかで見かけたのだが、さすがに驚いた。自分の乏しい経済学の理解では、金融政策によって起こるのは、預金や資産を溜め込んでいる人から、どんどんお金を遣って投資や消費をしたいという人にお金が流れることで…

不明高齢者問題の背景

「でたらめ長寿国」韓国メディア報道 2010年8月5日(木)08:00 http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20100805109.html 【ソウル=水沼啓子】日本で100歳以上の所在不明が相次いでいる問題について、韓国メディアは「でたらめ長寿国」などと相…

「かわいそう」という感情を抑えきれない

「不明100歳超」拡大、把握は困難? ずさん? http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/423861/ 役所が「存命」としながら、実は長期にわたって所在不明となっている100歳以上の高齢者が全国で相次いで確認されている。東京都で113歳の…