2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

税は信頼の問題

増税を通じた再分配が可能になるかどうかは、行政がそれなりに公正に分配してくれるかどうか、そして分配された金銭や財が見知らぬ人の手に渡って、それがどのように使われようが気にしないという、「信頼」の問題が全てである。ちなみに、ここでいう「信頼…

ねじれた構造

渡辺氏トップ、首相は2位=自民は小泉氏が上位−次期首相候補 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2010072300643 時事通信社が16〜19日に実施した世論調査で「次期首相にふさわしい人物」を聞いたところ、みんなの党の渡辺喜美代表が11.4%…

年長世代の「小さな政府」志向

橋下大阪府知事にせよ「みんなの党」にせよ、近年支持が高い政治家や政党に共通しているのは、ラディカルな「小さな政府」路線であることである。「小さな政府」を掲げる政治家や政党がいること自体は、むしろ必要かつ重要なことだが、気になるのは彼らが支…

「大きな政府」なんてできるわけない?

なんか、日本で北欧型の「大きな政府」なんてできるわけない、みたいな批判が相変わらずある。しかし、やたらにフィンランドやスウェーデンを賞賛する人(あるいは無意味に批判したがる人)もいないわけではないけど*1、まあ現実的に思考している福祉の専門…

日本ではもう不可能なのか

「郵政解散選挙」以来、いかに「既得権益層」を歯切れよく攻撃しているかが、政権と政党の支持率に直結しているようになっている。最近の政治家は、冗談ひとつ言わず、生真面目な顔つきで「無駄を徹底的に削減して国民の皆様に納得していただく」などと、過…

今日選挙

自分が増税すべきという場合、現状において民間企業や家族に委ねられている福祉に関する財の配分を、政府で回すようにしたほうが、みんなの負担が全体として減るだろうという、ただそれだけの理屈である。経済成長で税収を上げれば社会保障の財源は問題ない…

なぜ民主主義は間違った政策を選択するのか

『選挙の経済学』(ブライアン・カプラン)という本を斜め読みしていて(頭の悪い自分には結構難しかったが)、なかなか面白いと思った一方で、根本的な違和感があった。それは、著者の経済学至上主義的な結論ではなく*1、「民主主義は正しい政策を導く」と…

絶対にしてはならない反論

これは反省を含めて最近すごく思うことなのだが、議論の中で「誰がそんなこといった?」「まずちゃんと理解してから批判しろ!」という「反論」は、絶対にしてはならないことである。 「誤解」を招いていること自体は、反論相手がどれほど愚劣であろうと、ど…

現代日本の「感謝」はどうも息苦しい

「感謝ソング」が流行っているという話を前に少し書いたことがあるが、思うに「感謝」の気持というのは、現状がある程度「うまくいっている」人じゃないと湧いてこないのではないだろうか。というか、明らかに「うまくいっていない」人が、他人や社会に「感…

当面は「大きな政府」を目指すしかない

「大きな政府」「小さな政府」について語る人のなかに、相変わらず政府の規制や指導が強いか弱いかという、致命的な誤解が多い。政府の再分配が量的に多い、あるいは公共部門で働く労働者が多いということが「大きな政府」だとすれば、経済規制緩和とは全く…

今の増税論議は最低最悪

最近の菅直人は財政再建主義的な主張に堕落してしまっている。「堕落」というのは、素人の納得感を最も得やすい物言いに菅が安易に乗っかりはじめているということである。 現在福祉は、民間企業、家族、個人の負担に委ねられている部分が多く、それが給付と…

「議員や官僚が血を流せ」のお上意識

「国民に負担を求める前に議員や官僚が血を流せ」と言う人がしばしばいるが、これは統治する人たちが完全な特権階級である封建社会でのみ通用する物言いで、ともかくも選挙で選ばれた代表である議員や、国家・社会を運営する専門家である官僚を減らせば、か…