常日頃思うこと

常日頃思うことだが、全員ではないが経済学者やエコノミストってなんであんなに政治にナイーヴなんだろうか。

二流週刊誌レベルの官僚陰謀論だらけの高橋洋一氏がいい例だけど、陰謀論好きの素人はともかくとして、あれを経済学者が普通に面白く読んでいるというのが、さっぱり理解できない。経済学的に妥当なところがあるとしても、こういう利権の構造をすべてぶっつぶさなければまともな経済政策はできないかのような、かつての全共闘の学生を思わせるナイーヴな政治観は、とても専門家が真面目に読むに値するものではないだろう*1

日銀に対する批判もそうだ。日銀総裁が政治的な責任を負っている立場であることを無視して、天下り利権があるに違いないとか、二流週刊誌レベルの議論を平然と展開してしまう。これに自己矛盾を感じないのが不思議だ。

そして、貧困問題や雇用・失業問題なんかに一滴も興味がない、「みんなの党」の経済政策に、「インフレターゲット」に賛成しているからというただそれだけの理由で、「期待する」みたいなことを言ってしまうから最悪である。この党の、「個人主義的な競争社会で日本国民を国際競争に耐えうるように鍛え抜く」という価値観については*2、全く関心すら示していないのだから、驚きあきれるほかない。

当たり前だが政治家や政党への支持・不支持というのは、「どういう社会にしたいか」というヴィジョンのレベルで決めるものである。「インフレターゲット」に賛成してても、それが弱者の救済に冷淡な政治家や政党であれば、「経済強者を優遇する政策だと誤解を招く」と批判的に接するべきである。しかし経済学者という人種は、「正しい経済学」を語っていると、それだけで全面的な賛成に回ってしまう。どうしてこんなに経済学系の人たちは、政治に対してナイーヴなんだろうか。

*1:「官僚精神」と言えば高橋氏こそまさにそうだという感じもするのだが。

*2:自覚がないかもしれないが、こういう価値観は、かなりの程度年長世代の「若者バッシング」と共振するものである。