小沢一郎の子供っぽさ

小沢氏だんまり、資金問題語らず 党道連会合であいさつ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100122ATFS2202K22012010.html


 民主党小沢一郎幹事長は22日、札幌市で開いた党北海道連のパーティーであいさつしたが、自身の資金管理団体陸山会」の土地購入問題を巡る政治資金規正法事件についてはほとんど触れず、もっぱら参院選勝利を訴えた。

 小沢氏はパーティーで、陣営幹部による選挙違反事件の渦中にある地元選出議員を引き合いに出したうえで「毎度お騒がせいたしております小沢一郎でございます」と述べて会場を沸かせたが、約10分間のあいさつで「政治とカネ」に関して触れたのはこれだけだった。あいさつの後はすぐに会場を出て、東京にとって返した。 (20:13)


小沢一郎という人を見ると、極悪な権力者というよりも、無邪気な子供のようなものを感じる。本音を語らないとか、都合の悪いことは隠すというのは、それ相応の地位についたことのある政治家であれば、誰もが平然と行っていることであろう。

しかし小沢一郎という人は、何を語っても「本音を一生懸命隠している」というオーラが強烈に出てしまう。あのオーラは、「隠している」ことを見せびらかしたいという、子供っぽい自己顕示欲抜きには考えられない。誰かの話を聞いているときも、「何もわかっていない馬鹿が」とか「ほう、俺に楯突くのか」という態度が、それこそ全身から滲み出ている。おそらく若いころに自民党の長老たちに可愛がられて身についてしまったのだろうが、自分の権威や頭の良さを見せびらかしたくてしょうがないという子供っぽさが、実質的に日本でナンバーワンの権力者になったこの歳になっても抜け切れていないでいる。

 一方、小泉純一郎元首相は、天然の性格なのか意図的なのかはともかく、「隠しているということを隠す」という能力が抜群であった。森喜朗という小沢に劣らぬ「黒い」人物と政治的な師弟関係にありながら、そういうダークな部分を一瞬たりとも見せることはなかった。小泉は極端だが、大人の政治家であれば多少なりともそうした振る舞いを心がけるのに、小沢はいつまでも子供っぽさが抜けない。政治家じゃなくても、普通の大人がビジネスの場面でそうしているように、本音じゃないことを本音であるかように割り切って語れないのである。

 小沢がいかに問題ある人物だろうと、この子供っぽさは個人的にあまり憎めない。政治家として何を評価したらいいのか、よくわからないところはあるが*1

*1:ちなみに小沢が「古い政治家」として批判されているが、「構造改革」の元祖であるという経歴はすっかり忘却されているようである。