何が悪いのかよくわからない

テレビに出てる政治評論家の連中が小沢擁護ばっかりな理由が判明しました
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1136103956


正直何が悪いのかよくわからない。もともと政治評論家やジャーナリストで熱心な「小沢ファン」というのは一定数いるし、今言われているような「小沢問題」は別に今に始まったことでもないので、この時期になっての急激な展開に疑念をもつのはむしろ健全な感性だと思っている。

それに、何かというと「企業を悪者してはいけない」「企業も大変なんだ」と語る、どう見ても企業・財界から金をもらっているだろうとしか思えない経済評論家を嫌というほど見ているので、テレビに出ている評論家が中立だなんて思ったことはないし、そもそもそんなことは期待もしていない。「小泉改革」を全力を挙げて支持してきた(今も支持している)田原総一朗などは、自分が政治的に中立だなんて思ったこともないだろう。それは「メディアの権力」を握っている人たちの当然の権利であって、別に悪いことではない。

それに、メディア上で小沢一郎への批判が聞かれないというならともかく、そんなことはまったくないだろう。むしろ件の評論家たちは、洪水のような批判の逆風のなかで「空気が読めない奴」という役回りになっている。少なくとも小泉政権の一時期のように、テレビに出てくるほとんどの評論家が「応援団」のような状態にあった時期のような気持ち悪さは、今の「小沢問題」に関する報道にはないと言ってよい。こんな問題はどこまで行っても芸能人ゴシップの域を出るものではなく、問題にしている人たちはいったい政治をどうしたいのかわからない。

テレビの報道の偏りがあるというのなら、個人的に問題だと思うのは、前にも書いたように過労死・過労自殺の報道があまりに少なすぎることである。自動車の死亡事故でも逐一報道されるのに、「企業に殺された」人についての報道がこんなに少ないのは、まさに異常事態であると言ってよい。しかも今かろうじて報道されているのは、裁判に持ち込んで何年もかけて勝訴を勝ち取ったような2000年代はじめの事件で、「ワーキングプア」の問題が顕在化して以降の、ここ数年の事件についてはさっぱり報道されていない。結果として、被害者の遺族を大きく声を上げられないような状態に追い込み、日本の労働環境は悪化の一歩をたどっていると言えるだろう。

テレビの報道系番組や政治討論番組は、腹が立つだけなのであまり観ないようになってしまった。正直、テレビの政治報道番組の質が、日本の政治の混迷の有様に直結していると思わざるを得ない。