ちゃんと説明してほしい

あと、生産性を労働生産性と言い換えても全く同じでしょ。海外で住んだりした人ならわかるだろうけど、客を客とも思わない態度がデフォルトのサービス水準に散々遭遇してたりしたら、日本へ帰ってきたらほっとするって人が多いだろ。これでどこが「日本人労働者の生産性が低い」のかさっぱりわからないんだ。おまけに日本名物サービス残業なんかを考えたら、どんだけ「効率的」かわからない。欧州人なんかと比べ物にならないだろう。生産性が低い(働かない、労働組合が強いなど)=デフレなら、欧州の方がもっと激しいデフレでなければならないんじゃないのか。

http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20100221/1266736934

少しでも海外旅行経験のある人間なら、接客態度が日本ほど丁寧でないことは誰もが経験していることだろう。とくにヨーロッパなどでは、休日は店が開いてないことは当たり前ときている。にも関わらず、「経済成長率」で日本ははかるに後塵を押している。そして、外国のほうが労働組合の組織率や発言力は強いし、税と社会保障の「国民負担率」もはるかに高い。この「謎」について、ちゃんと説明している経済学者やエコノミストは、私の知る限り1人もいないどころか、既に脆弱な労組や国際的にみて低い税金を槍玉に挙げて、これらが経済成長を阻害しているなどと平然と言い放つ人が、相変わらずメディアで発言力が強いという有様である。

 本当に不思議なのだが、どうして日本では官僚と公務員の「既得権」や、「規制が多すぎる」ことや、「無能な正社員」が経済の足を引っ張っているというあからさまなデマが、今だに大手を振って真面目に受け取られているのだろうか。諸外国を一瞥すれば、他の国の国民は明らかに日本人よりも真面目には働いてはいないこと、「既得権者」の発言力や「規制」が半端じゃなく強いこと、そして公務員の数もずっと多いことなどは、別に専門家じゃなくたってネットで収集できる情報の限りで理解できることである。「中国人のバイタリティに比べて日本は・・・」などと説教したがる経営者やエコノミストが多いが、平日の昼間から麻雀に興じている大の大人が公園にたむろしている風景は全く目に入っていないらしい(日本では平日の昼間から公園でぶらぶらしていれば単なる不審者である)。

 「生産性が低い」というのは、普通に考えて、例えば売り上げが悪い深夜の時間帯にも少しでも稼ごうと、コンビニやスーパーを営業しているようなビジネスモデルにあると思われるのだが、どうなんだろうか。日本における商品のサービスの質が悪い、労働者の能力が低い、ということを証明できるような人は本当にいるのだろうか。あるいは「生産性が低い」として、それでは毎日一生懸命にサービス残業に励んでいる人たちの風景は、一体どういうことのだろうか。そしてどうして、「国際競争力に打ち勝っている」諸外国の人たちは、日本人ほど真剣に働いていない(少なくともそう見える)のだろうか。ちゃんと説明してほしいのだが、一度もそういう説明を聞いたことがない。