小泉構造改革をもう一度!

●先週のAERAも社会主義化する日本などとタイトルを打っている。曰く子ども手当がそうなんだそう。現物サービスを充実せず、無差別現金給付を行うのであれば、それは新自由主義の変形である。

●私は社会民主主義者だが、それでも役に立って不幸な人が少なくなれば社会主義であっても新自由主義であってもいいと思っている。政策論争で負けそうになると、何かと社会主義とレッテル貼る方が、イデオロギーに振り回されすぎなんです。

http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2010/03/post-1.html

自分もAERAのタイトルには驚きあきれてしまったが、そもそも「ミッテランの転向に倣え」と書いてあったが、民主党ミッテランのように企業の固有化も、労働時間規制も、ほとんど何もやっていない。左に振れていないのに、転向せよというのはそもそもおかしいのだが、いまの日本の世論は「誰かが得をする」ような分配政策に対し妙に厳しく、「みんなが等しく苦労する」ような歳出削減政策を無意味に支持する傾向が強い。

テレビを見ていると、民主党政権への失望感から*1、「小泉構造改革をもう一度!」という大合唱になっているように見える。経済学系の人の多くも、「インフレターゲット」に賛成しているという理由で(本当にただそれだけの理由で!)、構造改革主義政党である「みんなの党」の支持に傾いている。経済学系の人の政治感覚のなさ*2は今にはじまったことではないが、本当に絶望的な気分になってくる。

*1:いったい何に失望しているのか、よくわからないところが多いが。

*2:「経済通」であればその先のビジョンはどうでもいいという態度のこと。