民主主義の自己否定

消費税増税は一律でやるべしhttp://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2010/04/419-bb43.html

 税制の専門家ではないが、基本的には同意見。軽減措置をやるにしても、むしろ給付付き税額控除の導入のほうがいいと思う。

 税金の話をすると、なぜか多くの人は「税負担が少なくなるように」という方向に一生懸命頭をつかってしまうのだが、しかし私はまず「どう社会的弱者に分配していくのか」から頭をめぐらせていけば、消費税程度の「逆進性」は特に問題ないことは、すぐに理解できるはずだと思う。だから、税制はできるだけシンプルで効率的に徴収できる方法がよいし、また政治的な正当性からいっても、可能な限り外国籍者を含む全国民が等しく負担するような方法がよい。手法は別に消費税にこだわってはいないが、消費税ではいけない理由を今まで(少なくとも少し真面目に考えるようになってからは)納得できたことがない。

 「政府に金を預けてもロクなことに使われない」という人がよくいるのだが、繰り返しになるが、それはジンバブエのような国の国民だけに許される発言である。本当に有効に税金が使われているのかについて、われわれが不断に批判・監視していくのが「民主主義」であって、政府は信用できないから税負担は嫌だというのは、もはや民主主義の自己否定でしかない*1。つまらないことを言っているように思われるかもしれないが、税金をめぐる話を聞いていると、このつまらない基本原則すら忘れている人が多いような気がする。

*1:ときどき経済学系の人の物言いに、優秀な経済のスペシャリストによる独裁待望論を感じることがある。