レッテルに収まらないことを言い続ける

サヨクとウヨクどちらが嫌いですか?
http://h.hatena.ne.jp/D_Amon/9234077319578802272


マジレスすると思想の左右より精神性で好悪が分かれる。
あと、反差別、反貧困、反歴史修正主義などは思想の左右の問題ではないのに、それらをサヨクと呼ぶ人々については、その人々自身の思想に問題があると思う。

右翼とか左翼とか言うのは、思想的態度の傾向を示すものに過ぎない。ほとんどの政治家や論壇人は、自分のことを「右翼」や「左翼」だとは思っていないし、呼ばれることも嫌う。自称している人がいるとしても、そこには「あえて」の態度が必ずと言ってよいほどある。

 私が嫌いなのは、自分が「右翼」「左翼」呼ばわりされると激怒するくせに、人のことを平然と「ネオリベ」「社会主義」などとレッテル貼りして人格攻撃できてしまう人である。メディアで顔が売れている評論家ほど、この傾向が強い。

 丸山真男はどれだけ「左翼」「社会主義者」と呼ばれたかわからないが、それについて一言も弁明したことはない。福田恒存も自分が「保守」なのは、人がそう呼ぶので、それを引き受けるのが責任だからという趣旨のことを語っていた。レッテルを引き受けながら、そのレッテルに収まらないことを言い続ける人が、やはり最も尊敬に値にする。

 ちなみに余談だけど、日本の経済学の人って、中立性を一生懸命装う人が多い気がする。経済学は素人なのであれだけど、ケインズハイエクフリードマンスティグリッツクルーグマンなどなど、外国の高名な経済学者は自分の価値観を結構はっきり出している気がするのだけど、日本の経済学の人は語らなすぎというか、事実上価値観を表明しているのにそれを懸命に否定するタイプの人が多い気がする。