普天間基地移転問題について雑感

 今まで言及を避けてきた普天間基地移転問題について。

 軍事・外交の専門家が、普天間基地の県外移設をナンセンスと批判するのは理解できる。しかし私もそうだけど、この数ヶ月でにわかにこの問題に興味を持った素人までが、鳩山政権の外交の「非現実性」を批判するのは、さっぱり理解できない。

 そもそも、「現実的でない」というのは、「仕方がない」という以上のことではない。民主党の稚拙さは批判されるべきだとしても、それはあくまで官僚や専門家がやるべき批判であるし、実際軍事・外交の問題は素人勉強で理解できるようなものではない*1。もし、多くの国民が沖縄の負担を軽減すべきだと考えているとしたら、そのための政治的な努力を民主党が以降も続けていくことを、しっかりと支援していけばいいだけの話だろう。

 ところが、何故だか外交専門家になったつもりで、鳩山首相を「馬鹿」「外交音痴」と罵る「素人」が跡を絶たない。かといって、沖縄県民に負担を背負ってもらうべきだ、とはっきり言っているわけでもない。日本の軍事・外交の将来をどうしたいのかについて何も考えがなく、とにかく「指導力」「決断力」がないこと自体に苛立っている。

*1:そもそも情報公開度が低い上に、慣習や紳士協定で成り立っている部分が非常に大きい。経済学は素人勉強でも基礎的なものは身につけることはできるが、軍事・外交は結局のところ「オタク」以上のものにはならない。