こちらが馬鹿なだけ?

 本当に頭が痛いなあ・・・。

 増税するというのは、民間企業やNPO・ボランティアが対処できない人たちへの資源配分の手段であって、増税しないというのはそうした人たちへの資源配分を(少なくとも当面は)しなくてもよい、福祉や教育は頑張って自分でお金で買ってくれ、ということだ。そう言うと、「そんなことは言ってない」と絶対に反論されるだろうが、実質的にはそういうことでしかない。

 「ブラック企業」や「貧困ビジネス」の泥沼にはまっている人たちを救う有効な手段の一つが、増税による政府の再分配能力を高めるということであれば、今すぐにでもやるべきだ。 消費税でなければいけないとは言わないが、消費税ではいけない理由が何度聞いてもさっぱりわからない。むしろ、疑問がますます深まるばかりである。こちらが馬鹿なだけかもしれないが、ちゃんと説明してほしい。

 というか、消費税を増税すると景気が悪化するなどというのは、私に言わせれば「トンデモ」そのものであり*1、性質の悪い「世間知」に癒着した思考様式そのものなのだが、難しい経済書を何冊も読みこなしている(それ以外についてはおおむね納得可能な)人が断言調に言うものだから、本当に頭が痛くなる。

 政府が信用できないというのは勝手だけど*2、だったら福祉や教育は自分でお金を出すか、NPOやボランティアでやってくれ、とはっきり言うべきである。増税(とくに消費税)すると社会的弱者が苦しむかのような言い方で反対している人は、素人はともかくとして、専門家がそれを言っている場合は本当に憤りを感じる。

*1:増税分を1円たりとも低所得者への再分配に回さないという、いくらなんでも有り得ない仮定を立てた限りでのみ妥当な主張。

*2:別に自分も特に信用してなんかいないんだけど。