無力感の日々

連日のメディアの、原発事故の微に入った報道には本当にうんざりしている。大部分の人にとっては、その情報を聞いてもどうすることもできないし、単に国民の不安が募り、「買いだめ」などのパニック現象を悪化させるだけだろう。そして、実際そうなりつつあ…

要はプロに任せること

阪神大震災に遭われた西宮市議会議員今村岳さんの記事です。非常に大事なことを言っていると思ったので、ここに貼っておきます。 悔しくて、悔しすぎて、記憶から消していたことが、いろいろ蘇ってきて辛いです。 ひとつは、観光気分で来た自分探しボランテ…

大震災

自分は生活が若干不便という程度で済んでいます。被災された方々、特に一瞬にして故郷を失った方々には、心からお見舞いを申し上げます。そして、自分の家族が心配な中で活動している市役所の職員、電力会社の社員、そして自衛隊員の方々、本当にお疲れ様で…

わかりやすい説明

ハッキリ云ってしまえば、「わかりやすさ」を求める「素人」には何かを理解する事など不可能です。私の研究であれば、優秀とは言い難いですが研究者として20年近く、人生の大半を注ぎ込んで学習・研究・試行錯誤し、ようやく見出した結果を、「素人」がちょ…

みんなの党の緊縮財政予算案

みんなの党、予算修正案まとめる 行革で歳出大幅カット2011.2.25 19:15 みんなの党は25日、子ども手当廃止や国会議員と公務員の人件費削減などで歳出を大幅にカットした平成23年度予算案と予算関連法案の修正案を発表した。政府案が一般会計総額92兆4…

「脱成長論」の可能性

前回、言いたかった重要なことの一つがスルーされている可能性が必要があるので、あらためて繰り返し言っておくと、「脱成長論」と経済成長論は論じている当人たちが思っているほど共存不可能な議論ではない、ということである。 「経済成長がなくても自殺者…

今すぐできることはいくらでもあるはず

自分は税制については素人だが、消費税増税に反対しないのは、少なくとも専門家の意見を拝聴する限り、説得力が高いとやはり考えざるを得ないためである。 1)徴収の効率性が高い。結局のところはこれに尽きるかもしれない。 2)所得税などと比べて税収が安…

反インフレ的な日本の左派勢力

「不況は人災です!」 11年2月1日 全労協けんり春闘学習集会講演パワーポイント資料 松尾匡のページ http://matsuo-tadasu.ptu.jp/ZenroukyouKouen11.ppt この、松尾匡氏のパワーポイントの説明は、自分のような素人にもすごくわかりやすかった。正直、何度…

適切な政治的争点の設定

テレビやネット上の議論を見ていると、消費税を上げるかどうかで熱くなっている人が多いのだが、やはりつくづく不毛であるように感じる。まず、大きな対立軸として緊縮財政路線か需要創出路線かという対立軸があり(社会保障論は当然後者の路線)、消費税と…

消費税を政治の争点にすべきではない

国債格下げ「消費増税の催促」=与謝野経財相 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011012800004 与謝野馨経済財政担当相は27日夜、BSフジの報道番組に出演、米国の格付け会社が日本国債の長期格付けを引き下げたことについて、「(消費増税を)早くや…

前回の追記

前回の追記として書いたが、長くなったので分割。 まさか誤解している人はいないと思うが、一応ことわっておくと、自分は経済成長と社会保障政策が両立しないなどと言っているわけではなく、むしろその両立可能性を真剣に考えるためには、両者が別々の原理に…

再び福祉と経済の関係について

飯田泰之×宮崎哲弥 トークセッションに行ってきた 鄙/Hina blog http://since20080225.blogspot.com/2011/01/blog-post.html (質問者B)三点ほどよろしいでしょうか。一点目は先日菅総理が成長戦略として第三の道を提唱しました。それは福祉を産業として育…

菅VS与謝野

また追記のようなものとして、菅首相と与謝野大臣は、ほんの10ヶ月前に国会でこんなやり取りをしていたので、ここで掲げておきたい。 衆議院 - 財務金融委員会 平成22年03月02日 ○与謝野委員 ・・・・・そこで、菅大臣は、名目成長率だけ三%にする、インフ…

脱「小泉構造改革」の果てに

前回の補足。 与謝野馨と菅政権の接近を見ると、今から振り返るに、2000年代半ば頃からの「小泉構造改革」の在り方*1を反省しようという流れが、わかりやすく言えば与謝野馨路線か高橋洋一路線かに(ご両人とも皮肉にも小泉政権の内部にいた人たちだが)分岐…

与謝野馨の入閣について

与謝野氏:消費増税・社会保障改革に執念、能力問われる「仕事師」 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aERQfTF3Hb4c 1月14日(ブルームバーグ):「たちあがれ日本」を離党し、経済財政相として入閣することになった与謝野馨元財務相…

また同じことを書くのかと怒られそうだが

世論調査の現状をデータで整理する 菅原琢 http://synodos.livedoor.biz/archives/1644503.html ・・・・・・・・ ◇2011年、世論調査の課題◇ ここで紹介したようなデータを、ある会合で示し、こんな一過性の役に立たない調査をするよりも、もっと政策的なこ…

おそろしく実体がない

片山総務相「地域主権へ住民の満足度高める改革を」 本社インタビュー 2011/1/3 15:36 情報元 日本経済新聞 電子版 片山善博総務相は、日本経済新聞社産業地域研究所のインタビューで、地域主権改革の実現へ向けた菅内閣の指導力を強調した。総務相は「確か…

官公庁や政治も俗世間の延長線上でしかない

新年早々似たようなネタを書くのも気がひけるが、政治に対する「だらしがない」「やりたいことが見えない」という批判を聞いていていつも不思議なのは、自分の職場でやりたいことを貫き通している人がどれくらいいるのだろうか、ということである。むしろ、…

信頼できる専門家

自分が信頼できる専門家というのは、その議論において「誠実」で「良識」のある人である。素朴なことを言っているようだが、これは極めて本質的なことで、自分も素人なりに金融政策や年金制度などに関する本を読んだりはしているが、結局のところよくわかっ…

誰も代表できていない

前回のエントリは、ややもすると国民の政治的見識の低さを嘆くようなものに受け取られがちだが、そうでは断じてなく、あくまで国民が自分で何を選択しているのかわからなくなっているような、政治的な状況を問題にしたものである。 たとえば、いま日本の世論…

もはや「民主主義」とは言えない

本社・FNN合同世論調査 「早期に招致を」7割 内閣支持率23%産経新聞 12月14日(火)7時56分配信 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12両日に実施した合同世論調査で、民主党の小沢一郎元代表の国会招致について「早期に実現すべ…

雇用をつくる

金融政策と雇用の問題は慎重に分けて考えるべき、ということの追記のようなもの。 経済成長で雇用が増えるというのは、必ずしも単純な関係ではない。もちろん、仕事が増える、企業に雇用の余裕が生まれることは間違いないが、一方で社会全体の生産の効率性が…

子供に持たせてはいけない刃物

どうも、日銀が金融政策を本気になって採用すれば、円高不況も、赤字国債の解消も、失業問題や社会保障財政もいっぺんに解決可能になるかのような物言いがしばしばある。半分くらいはその通りと思いつつ、またあえて挑発的に言っていることも理解しているつ…

政治家の言葉は軽くなったのか

「失言」問題というと、一昔前は憲法問題や歴史問題に関わるものが多かった気がするが、そのときも正直「騒ぎすぎ」と思っていたが、すくなくとも日本という国家の価値とはどうあるべきかという、それなりに重いテーマに関わるものであったような気がする。…

見ていて冷や汗が出てくる

仙谷氏「暴力装置」発言 謝罪・撤回したものの…社会主義夢見た過去、本質あらわにhttp://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101118/plc1011182236025-n1.htm 「昔の左翼時代のDNAが、図らずも明らかになっちゃった」 みんなの党の渡辺喜美代表は18日、…

政治家目線

同じことばかり書いて恐縮だけど、馬鹿と思われるのを覚悟で書くと、政治家にダメ出しをするときには、自分に「じゃあ、お前はできるのか」という突っ込みを常に入れなければダメだと思う。 ほとんどの人は、自分がその場に絶対に立たないことを前提にして政…

愚痴

今の日本の政治が末期症状なのは、民主党政権自体というよりも、「頼りがある」とかないとか自体が問題になっていることである。この20年「頼りがある」という雰囲気を醸し出していた首相は、小泉純一郎ただ一人であるが、じゃあ小泉政治が良かったのかとい…

「頼りがない」くらいは普通に受け入れるべき

小泉政権以降、安倍政権から鳩山政権に至るまで、どの政権も「頼りがない」と批判の大合唱を浴びてきた。そうした批判の声を受けて、1年ごとに総理大臣が変わってきた。そして、変わるごとに「頼りがない」という声はますますひどくなり、現在まさに極点に達…

市場について

自分は市場という制度が基本的に好きである。特に、「社会主義」的なものが知的世界に色濃く残っていた90年代半ばくらいまでは、(無知ということもあって)素朴に「市場原理主義」的な考え方をしていたところがあったように思う。 その考えが変わったのは、…

まず若い世代の教育・福祉を

メディア的には昨年ほど盛り上がっていない「事業仕分け」だが、聞こえてくる話はますますひどくなっていると思わざるを得ない。 緊急性の高い高齢者福祉の予算を確保するために、緊急性の低い(と思われている)若い世代の教育・雇用関連の予算を削る、その…